ネットワークセントリックな危機管理組織

931410374新刊: 『ネットワークセントリックな危機管理組織』

神 藤  猛  著

高度な危機管理体制を構築し、安全安心な社会を実現することは、日頃から国民の生命と財産を守り、最悪の事態においても危機の解消を担保し、コンフリクトや大規模災害による膨大な事後的負担を抑制することを意味します。
組織における危機管理とは何か? 多様な角度から検証します。

21 世紀の今日、新たな国境を越える地政学的脅威(民族・宗教紛争の伝播、国際テロネットワークの拡大)と大量破壊兵器の拡散に対処し、地球規模の環境破壊と大規模災害、さらに食糧・エネルギー等の資源危機に備え、安全安心な社会を構築することは、国際社会の秩序と安定、持続可能な世界経済の成長にとって必須の要件となっている。現在、先進各国は、国際安全保障環境の変化に有効に協調して対処しうるよう、限られた国家資源の中で、危機管理に要求される任務と資源配分を見直し、危機管理組織のトランスフォーメーション(変革)を行っている。(本文から)

※8月11日発売開始

A5判並製、全288ページ
ISBN978-4-931410-37-4
定価:2,310円(本体2,200円+税)

目  次

序 章  危機管理の世界
1 危機管理の新たな潮流
2 危機的世界の特徴と先行研究
3 本研究の目的と構成
第1章  危機管理組織
1 危機管理と組織
2 危機管理組織の特徴
3 不測の事態
4 危機と免疫系のメタファー
第2章  危機とマネジャーの役割
1 組織とマネジメント業務の実際
2 マネジャーの仕事と組織のネットワーク
3 マネジャーと危機管理
第3章  新たな危機に対応する意思決定と組織構造
1 意思決定と組織構造
2 危機管理組織とネットワーク構造
3 ネットワークセントリックな意思決定と連結行動
第4章  ネットワークセントリックな危機管理の組織化
1 ネットワークセントリックな組織化の諸過程
2 危機管理組織における意思決定優勢
3 組織と自己同一性
第5章  事例研究1:意思決定優勢 ― ミッドウェー海戦における意思決定
1 事例の概要
2 ケース分析の前提
3 ケース分析と評価
4 まとめ
第6章  事例研究2:危機の極限 ― キューバ核ミサイル危機
1 事例の概要
2 ケース分析の前提
3 ケース分析と評価
4 まとめ
第7章  複雑化する危機と危機管理システムの実際
1 危機的世界の趨勢と対応の枠組み
2 ネットワークセントリックな危機管理組織の実際
3 新たな危機管理の運用概念
終 章  21 世紀のネットワークセントリックな危機管理組織
参考文献

著者: 神 藤  猛 (しんどう たけし)

1951年生まれ、横浜国立大学環境情報学府博士後期課程単位取得退学、経営学博士(明治大学)。防衛大学校助教授を経て現在、独立行政人防災科学技術研究所 地震防災フロンティア研究センター主幹研究員。専門は危機管理。主な論文に、「ネットワークセントリックな災害医療システムの研究」『日本経営学会誌』2008 年第21 号、および「危機における意思決定と運用継続性」『防衛学研究』2007年第37 号 他。