東海地震を迎え撃つために

earthquoke2010渾身の労作で迫りくる巨大地震に提言!
巨大地震に対応できる体制作りのための取組を紹介

本書の構成は、まず東海地震の基礎的な事項と県の防災体制について述べ、次に、筆者が県庁で何をやらなくてはいけないかということを確立するために行った任務分析を紹介、それを基に主に取り組んだ本部運営や広域受援体制の整備、効果的防災訓練の実施、そして、県・市町と自衛隊等との連携の強化について順次紹介し、最後に静岡県を例に引きながら自治体の防災・危機管理体制の整備に関する意見を述べます。

A4判(全232頁 フルカラー)ISBN978-4-931410-79-4
定価4,500円(本体4,286円)

※完売しました

山本 忠雄 著
(やまもと・ただお 1948年青森県生まれ、法政大学卒。陸上自衛隊普通科連隊、富士学校教官、陸上幕僚監部会計課、幹部学校教官、第1師団司令部第3部長、第10普通科連隊長、東北方面総監部人事部長、第11師団司令部幕僚長等を歴任し、陸将補に昇任後自衛隊を退職。静岡県防災局防災調整監に就任、県災害対策本部運営体制の整備や県防災計画等と自衛隊の災害派遣計画、自衛隊等応援部隊の受け入れ体制の整備及び防災訓練の企画・運営などに従事。静岡県を退職後は株式会社総合防災ソリューションに入社、現在は危機管理業務部長)

[目次]

はじめに
第1章 東海地震と静岡県の防災体制
第1節 東海地震とは
1 東海地震が発生するしくみと発生周期
2 東海地震をめぐる最近の動き
3 東海地震の現状
第2節 静岡県の防災体制
1 災害対策本部の編制
2 災害対策本部の施設
3 危機管理部の体制
4 危機担当監制度
5 総合情報ネットワークシステム及び総合防災情報支援システム
第3節 防災関係機関との連携
1 自衛隊、警察、消防、海保との連携
2 ライフライン関係機関との連携
第4節 富士山静岡空港の防災機能
1 応援部隊、物資等の受入れ機能
2 救出・救助、消火活動部隊の活動拠点としての機能
3 医療活動の拠点としての機能
4 緊急物資の受入・配分拠点としての機能
5 県内運航ヘリの給油基地としての機能
6 航空機の管制機能
7 航空機の運用調整機能
第2章 任務分析
第1節 自衛隊における状況判断の思考過程
1 静岡県庁入庁の経緯
2 自衛隊における「任務分析」
第2節 防災調整監の任務分析
1 地位・役割
2 具体的に達成すべき目標
第3章 本部運営体制の整備
第1節 地域防災局の設置と防災体制の見直し
1 静岡県の防災組織の変遷の概要
2 地域防災局の設置と方面本部体制への移行
3 支援班の配置
4 業務担任の見直し
5 職員全員への任務付与
第2節 災害対策本部の体制見直しと危機管理センターの整備
1 災害対策本部組織の改編
2 災害対策本部施設の改修と危機管理センターの整備
第3節 本部運営上の問題点と改善方向
1 情報活動
2 応急対策の立案・調整
3 本部運営要領に係るマニュアルの整備
第4章 広域受援体制の整備
第1節 広域受援計画作成の経緯
1 国の応援計画の提示
2 県の受援計画の策定
第2節 救助活動・消火活動等に係る計画
1 計画の概要
2 警察、消防、自衛隊、海保の応援計画
3 受援を円滑・容易にするための計画
第3節 医療活動、物資調達、輸送活動に係る計画の概要
1 医療活動に係る計画と広域医療搬送体制整備の取り組み
2 物資調達に係る計画と問題点
3 輸送活動に係る計画と問題点
第4節 受援体制整備の取り組みと問題点、改善方向
1 受援計画の検証と体制の充実に係る業務への着手
2 『県広域受援計画』の検証及び体制の充実に係る行動計画の概要
3 行動計画の成果及び問題点と改善方向
第5章 効果的防災訓練の推進
第1節 静岡県における防災訓練の概要
1 訓練課目と実施の概要
2 訓練実施の体制
第2節 総合防災訓練の改善の取り組み、現状と課題
1 平成16年から19年の訓練―展示型の訓練から実践的訓練への革命
2 平成20年度の訓練―訓練革命の概成と今後の課題
第3節 本部運営に係る訓練の改善の取り組み、現状と課題
1 職員参集訓練
2 本部立ち上げ訓練
3 風水害対処訓練
4 分野別実践訓練
5 大規模図上訓練
第6章 自衛隊との連携の強化
1 研 修
2 自衛隊等との防災指揮所演習
3 地域防災局(現地域危機管理局)と地域担任部隊との交流
終 章 静岡県(自治体)における防災体制を強化するための提言
1 組 織
2 人 事
3 教 育
4 訓 練
5 災害対応に係る計画・マニュアルの整備
6 防災体制の棚卸し
付録 国及び静岡県における東海地震対策の歩み
あとがき