自衛隊は東日本大震災に迅速に対応し、その真摯な行動が賞賛されました。しかし遺体収容作業や放射能の脅威との戦いで心的ストレス障害を受けた隊員もいました。
より苛酷な戦争下でも戦える強い心は、どう育成されるのでしょうか?
「事に臨んでは危険を顧みず」とはいえ、これは至難の業です。
自衛隊員には忠節、礼儀、武勇や信義が求められます。
同時に、平和を愛し、人を愛する優しさも求められます。
しかし戦闘員も普通の人間。危機に直面すれば恐怖・不安・動揺・緊張が錯綜します。
この心の葛藤といかに戦うのでしょうか?
4月2日発売開始
ISBN978-4-905285-06-9
新書判、全144ページ、定価:770 円(本体700円+税10%)
編纂=防衛システム研究所
主幹=松島 悠佐(元陸上自衛隊中部方面総監)
委員=島本 順光(元航空自衛隊技術幹部・現帝京大学講師)
森田 良行(元海上自衛隊掃海隊群司令)
中村 徹(元海上自衛隊海上幕僚監部装備課長)
樫村 保貞(元海上自衛隊駐米連絡官)
津々谷 格(元航空自衛隊技術幹部)
目次
要約、まえがき
第一章 起(東日本大震災で隊員の心的ストレスは何故起きたのか)
1 遺体の捜索収容
2 放射能汚染への見えない恐怖
3 ストレスの蓄積
4 「PTSD」
5 心的ストレスの症状
第二章 承(自衛隊はどう受け止め、どう対応したのか)
1 現地部隊の対応
2 上級部隊の対応
3 原発への対応
4 防衛省の対応
5 普段からのメンタルヘルスケアー
6 家族との連携
第三章 転(根本的な問題は何処にあるのか)
1 戦闘員としての自衛官の使命
2 戦闘員に求められる高度な人間性
3 戦闘ストレスによる障害
第四章 結(どのように解決するのか)
1 予防・診断・治療の総合的な施策
2 強い隊員、強い部隊の育成
3 ストレスへの対応
4 メンタルヘルスの具体的施策
5 戦闘ストレスへの対応
6 まとめ ストレス障害を乗り切るための施策
参考1 「自衛官の心がまえ」(抄)
参考2 「軍人勅諭」(抄)