安倍政権と安保法制

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自民党政務調査会調査役
田村 重信 著

ISBN978-4-905285-35-9 C0031
四六判 全272ページ
定価:1,540円(本体1,400円+税10%)

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「平和というものはただ平和、平和という口で言うだけでは達成されないので、平和を破るような行為を阻止する手段を講じることが必要なのだ」(小泉信三元慶應義塾塾長)
私たちの平和は人から与えられるものではありません。私たち自身の手で築き上げるものなのです。
「憲法に『平和』と書けば、『平和』になるのであれば、憲法に『台風は日本にはくるな』と書けばよい」(田中美知太郎京都大学名誉教授)

 憲法9条を世界にPRすれば平和が実現できるというのは幻想です。日本を取り巻く安全保障環境は、そんなに生易しいものではありません。(中略)
この流れを後押しするために、そして、日本の安全保障の在り方を真摯に学ぼうとしている多くの国民の皆様に正しい情報を提供することが私に課せられた使命であり、天命であるとの思いで、土日返上で急遽、本書を書き上げました。(「はじめに」より)


第1章 憲法と自衛隊に関する一般常識
  「憲法と自衛権に関する一般常識」をチェック
  自衛隊は、憲法上は軍隊ではない
  キーワードは「必要最小限度」
  自衛権の発動が認められる要件
  自衛隊と「軍隊」の違い
  自衛隊の国際法上の位置づけ
  自衛官はジュネーブ諸条約上の捕虜としての扱いをうける
  そもそも軍事裁判所は存在しない
  非核三原則
  日本は憲法上、核武装はできるか?
  政府は核武装をしない
  自衛隊の任務とは何か?
  自衛隊の一番大事な仕事は、侵略に対し我が国を防衛すること
  日本の防衛政策の枠組み
  国際法と憲法の「武力行使」の違い
  個別的自衛権
  集団的自衛権
  集団(的)安全保障
  集団安全保障論議は湾岸戦争がきっかけ
  小沢一郎と集団安全保障
  武力行使と一体化しない
  集団的自衛権を行使できるためには
  自衛隊は海外で外国の軍隊を助けることができるか?
  日本の防衛関係費のGDP(GNP)比1%枠は撤廃された
  即応予備自衛官は陸上自衛隊だけ
  防衛の知識は自分で学ばないとだめ
  慶応義塾大学大学院で教えていたこと
  国防軍
  我が国を取り巻く戦略環境の変化
  我が国周辺の軍事力比較

第2章 集団的自衛権と日本の安全保障 (防衛法学会での講演)
  自衛隊は軍隊か
  海外での武器使用に制限
  集団的自衛権
  安保法制懇と安倍総理の見解の相違
  冷戦後の防衛法制
  PKO法案
  安保法制は自民と公明が協力
  民主党が海上自衛隊の補給支援活動を中止した
  安倍政権で防衛費を増額と防衛体制の整備が推進
  安全保障法制の整備
  与党調整、自民党と公明党の関係
  憲法改正に賛成=読売、産経、日経新聞。反対は、朝日、毎日、東京新聞
  我が国周辺で紛争が起きたら国連は機能しない
  いわゆる従軍慰安婦は日本人が外国に働き掛けた
  政治の安定が大事
  対外情報・情報発信

第3章 第2次安倍政権の安全保障法制の整備
  「安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会(法制懇)」
  「安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会」報告書のポイント
  「安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会」報告書に対する安倍総理の見解
  自民党安全保障法制整備推進本部
  安全保障法制整備に関する与党協議会
  「国の存立を全うし、国民を守るための切れ目のない安全保障法制の整備について」(平成26年7月1日閣議決定)のポイント
  安倍内閣総理大臣記者会見(平成26年7月1日)ポイント

第4章 憲法9条と自衛隊 (国家基本問題研究所での講演録)
  日本の国益
  軍隊の持てない憲法=「吉田・野坂 論争」
  警察予備隊の発足
  西ドイツとの違い
  冷戦の終焉と湾岸戦争ショック
  自衛隊は、軍隊ではない。集団的自衛権の行使は?
  芦田修正の意味
  国内と海外で異なる自衛隊の立場
  集団的自衛権
  集団安全保障
  集団的自衛権行使と国家安全保障基本法案
  憲法改正のポイント
  なぜ本を出すのか
  結局はリーダーが大事

第5章 安保法制に関する閣議決定、疑問に答える。
  「これを読めば分かるQ&A35」

  Q1 なぜ今憲法解釈を見直し、集団的自衛権の行使を容認する必要があるのですか。集団的自衛権の行使によらなくても個別的自衛権や既存の法制度の下での対応が可能なのではないか?
  Q2 憲法解釈の変更は立憲主義に反するのではないですか?
  Q3 今回は「解釈改憲」で、憲法の規範性が損なわれるとの批判がありますが?
  Q4 憲法改正によるべきであり、なぜ閣議決定で解釈変更をしたのですか?
  Q5 戦後の日本の憲法が掲げる平和主義は変わるのですか?
  Q6 安倍総理の目指す「積極的平和主義」と安保法制の検討の関係はどのようなものですか?
  Q7 集団的自衛権の行使を認めれば、他国の戦争に巻き込まれるのではないですか?
  Q8 徴兵制が採用され、若者が戦地へと送られる?
  Q9 集団的自衛権容認によってアジア地域での日本の役割や貢献がどう変化するか? 軍拡にならないか?
  Q10 外交と抑止力の関係について教えてください。
  Q11 憲法を守ることが平和の条件でないですか?
  Q12 議論が性急。国会で十分な審議をとの批判がありますが?
  Q13 国際法と憲法の「武力行使」の違いは?
  Q14 個別的自衛権とは?
  Q15 集団的自衛権とは?
  Q16 集団(的)安全保障とは?
  Q17 グレーゾーンとは何ですか?
  Q18 我が国に対する武力攻撃とは?
  Q19 どのような場合に集団的自衛権を行使できるのですか?
  Q20 「新3要件」が曖昧で、武力行使に「歯止め」がないのではないか。その結果、戦争に巻き込まれるのではないか?
  Q21 昭和47年の政府見解の枠内で、なぜ結論が変わるのですか?
  Q22 今回の閣議決定により憲法上許容される集団的自衛権の行使は、他国を防衛するためのものですか?
  Q23 なぜ、与党協議(自民党と公明党)ではグレーゾーン、国際協力、集団的自衛権につながる武力行使の3類型を巡って協議が行われたのですか?
  Q24 「武力の行使」関連の8つの事例で集団的自衛権を行使できますか?
  Q25 シーレーンでの機雷掃海や民間船舶の護衛は憲法上できるのですか?
  Q26 地理的制限はないのか。他国の領域に行くのですか?
  Q27 後方支援で「現に戦闘行為を行っている現場」をどう判断するのですか?
  Q28 なぜ駆け付け警護や任務遂行のための武器使用が可能になるのですか?
  Q29 「我が国と密接な関係にある他国」とはどの国ですか?
  Q30 「専守防衛」の変更になるのですか?
  Q31 日米安保条約は改正するのですか?
  Q32 年内のガイドライン(日米防衛協力のために指針)の見直しに間に合うようにするのですか?
  Q33 臨時国会に法案を提出するのですか。グレーゾーン先行なのか。
  Q34 憲法9条改正に取り組む必要がありますか?
  Q35 最近のマスコミ報道がひどいという意見があります。新聞、テレビの状 況を教えてください。

  あとがき―私なりの努力

  資 料
   ① 総理会見(2014年5月15日)
   ② 「国の存立を全うし、国民を守るための切れ目のない安全保障法制の整備について」
   ③ 総理会見(2014年7月1日)
   ④ 「国家安全保障戦略について」