教育改革は自衛隊式で [Kindle版]

「軍隊と教育」・・・と聞けば偏見や先入観がありませんか?

敗戦によってわが国は、軍隊に関わるものはすべて否定しようとする社会的傾向が長く続いてきたが、軍隊には本来二つの機能がある。一つは、国家の非常時に備えてしっかりと機能する部隊を作り上げる「教育集団」の機能(トレーニング・エデュケーションの分野)であり、他の一つは、国の危機に際して、それを運用し作戦を遂行する「戦闘集団」としての機能(オペレーションの分野)である。
わが国が先の大戦で反省しているのは、本当はこのオペレーションの分野なのだが、感情的に軍隊のすべてを否定する傾向が強かったため、「軍隊は戦闘集団であり平和的ではない」という視点が強調され、トレーニング・エデュケーションの分野まで否定されてしまった。だが、軍隊教育でもっとも大事にしている「国家への忠誠」、「公共への奉仕」の精神は、国民教育のあり方として汲み取ってもらいたいものである。(本文より)

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=著者紹介=
松島 悠佐(まつしま・ゆうすけ)
1939(昭和14)年生まれ。61年防衛大卒(第5期)、陸上自衛隊入隊。76年ドイツ連邦軍指揮大学校留学。81年ドイツ連邦共和国・防衛駐在官、88年陸上幕僚監部・防衛部長、91年第8師団長、93年中部方面総監等を歴任、95年6月退官。
主な著書に『阪神大震災自衛隊かく戦えり』(時事通信社、1996)、『自衛隊員も知らなかった自衛隊』(ゴマブックス、2004)、『大震災が遺したもの』(内外出版、2005)、『戦争の教科書』(ゴマブックス、2006)など。

目次

はじめに ― 集団生活のすすめ ―

第一章 入隊・集団生活の始まり
1 新隊員教育
あれがうちの子ですか?
手取り足取りの教育
新隊員たちの思い
教官たちの思い
新隊員の募集・入隊事情
2 集団生活が人を磨く
自分勝手にはいかない大部屋の生活
自分のことは自分でする
整理整頓の習慣
裸のつきあい
質素を旨とすべし
格好よく制服を着る
礼儀作法が身に付く
大きな声でものを言え
時間管理は厳格
自主性の発揮

第二章 軍隊は教育機関
1 平時の軍隊教育
平和なときに軍隊は何をしている
イラク派遣を支えた平素の教育
体系的・組織的な軍隊教育
2 軍隊は教育のプロ
「精神を磨き、実践する」軍隊教育の本質
実状況下での訓練・演習
競技会方式と対抗演習
実技実践教育の徹底
教育は信頼から
3 教育の理念
国民教育の理念(教育基本法と教育勅語)
軍隊教育の理念(服務の本旨と軍人勅諭)

第三章 使命感と軍人らしさ
1 使命感の育成
軍人はすべからくお国の為
愛国心を素直に持て
愛するとは守ること
日の丸を掲げる自衛隊
2 軍人らしさの涵養
自衛官の心がまえ
指揮官の心得

第四章 連帯感の育成
軍隊の命は組織力
助け合う心・思いやりの心
将校・下士官・兵士の役割分担
同じ釜の飯を食う
阪神大震災慰霊・慰労の会
中隊家庭の育成
バディー(buddy)意識
イラク派遣留守家族への支援
連帯責任
上下の信頼、部下の思い

第五章 指揮統率能力の養成
指揮・統御・統率
威圧統御と心服統御
指揮の要訣・指揮官は扇の要
自主積極性の助長
心を掴む統率の実践
指揮官の状況判断
国際感覚

おわりに ― 教育は世のため、人のため ―