安全保障と国際関係

9784905285649.jpg

金沢工業大学国際学研究所 編

ISBN978-4-905285-64-9
A5判上製本/全296頁

本体価格 2,000円+税


オンラインストアで購入 
 



本書『安全保障と国際関係』は、これまでに金沢工業大学国際学研究所が、その主要プロジェクトである「21世紀研究会」の成果を取りまとめて上梓した研究論集第4号である。
研究会等を通じて得られたさまざまな知見をもとに、各執筆者が自らの研究領域に沿って「安全保障」にかかわる問題意識を踏まえ取りまとめた9編の論文を、「日本の安全保障政策」、「エネルギー安全保障」及び「安全保障問題の諸相」の3部に適宜分けて編集し一書としたものである。


目 次


第1部 日本の安全保障政策


第1章 安全保障法制の整備と日本の国際貢献――国際平和支援法の成立と課題――
(森川 幸一)
Ⅰ はじめに
Ⅱ 国際平和支援法への道
1 湾岸危機と国連平和協力法案の挫折
2 同時多発テロ事件とテロ対策特措法の成立
3 イラク戦争とイラク人道復興支援特措法の成立
Ⅲ 国際平和支援法の内容
1 なぜ一般法が必要か
2 支援の要件としての国連決議
3 後方支援活動の内容と実施区域
4 国会承認の範囲
5 重要影響事態安全確保法との関係
Ⅳ 国内法・国際法上の論点
1 「武力の行使との一体化」論
2 国連決議と支援対象の正当性
Ⅴ むすびに代えて

第2章 パワーバランスの変化と日本の安全保障政策――防衛大綱の変遷と日米ガイドラインの見直し――
(宇佐美 正行)
Ⅰ はじめに
Ⅱ 防衛大綱の変遷―「基盤的防衛力構想」の誕生と継承―
1 51大綱の策定と「基盤的防衛力構想」
2 冷戦の終焉―「基盤的防衛力構想」の継承と変容―
Ⅲ 「基盤的防衛力構想」からの脱却と動的な抑止力への移行
1 22大綱の策定と「動的防衛力」概念の導入
2 「動的防衛力」から「統合機動防衛力」へ
Ⅳ 新日米ガイドライン―日本の利益と負担の損益―
1 新ガイドライン策定の経緯と米国の「アジア回帰」政策
2 新ガイドラインの概要―日本が得たもの、米国が求めたもの―
Ⅴ 新日米ガイドラインと安全保障法制
Ⅵ むすびに代えて

第3章 日米地位協定と駐留米軍の経費負担――日本側負担拡大の軌跡――
(櫻川 明巧)
Ⅰ はじめに
Ⅱ 駐留米軍の兵力・施設区域・基地従業員
Ⅲ 駐留米軍の経費負担の原則
Ⅳ 提供施設費の日本側負担
1 新規・追加提供と改築・改修等―地位協定第24条の政府解釈
2 地位協定の範囲内として負担可能な提供施設整備費
Ⅴ 地位協定の範囲内での労務費負担
1 昭和53(1978)年度からの労務費負担拡大―福利費等の負担
2 昭和54(1979)年度からの労務費負担拡大―格差給等の負担
Ⅵ 地位協定の範囲を超える日本側負担
1 1987(昭和62)年在日米軍労務費特別協定の締結―8手当の負担
2 在日米軍労務費特別協定の1988(昭和63)年改正―8手当の全額負担
Ⅶ 在日米軍駐留経費負担特別協定の締結―労務費以外への負担拡大
1 基本給等の全労務費と光熱水料等の負担―1991(平成3)年特別協定
2 訓練移転費の負担―1996(平成8)年特別協定
Ⅷ 原則の空洞化と実質的な日本側「全額」負担
1 負担拡大の歯止め―2001(平成13)年特別協定
2 現状維持―2006(平成18)年特別協定
3 負担減額―2008(平成20)年特別協定
4 労務費等を減額し提供施設整備費に充当―2011(平成23)年特別協定
5 米国のリバランス政策に沿った日本側負担―2016(平成28)年特別協定
Ⅸ おわりに


第2部 エネルギー安全保障


第4章 移行期にある中央アジアのエネルギー安全保障――タジキスタンとウズベキスタンの対立と中国の台頭――
(稲垣 文昭)
Ⅰ 問題設定
1 移行期の中央アジア
2 なぜ中央アジアのエネルギー安全保障問題か
3 分析の視座と概念整理
Ⅱ 中央アジアのエネルギー事情
1 旧ソ連の天然ガス供給途絶問題
2 ソ連時代に形成されたインフラと独立後の動向
Ⅲ タジキスタンの現状
1 ウズベキスタンへの過度の依存とその弊害
2 2012年の動向―中国による天然ガス調達の影響―
3 ウズベキスタンによる天然ガスと電力供給停止の影響
Ⅳ 結び
1 タジキスタンのエネルギー安全保障上の課題―偏る調達先とエネルギー源―
2 中央アジアのエネルギー問題の今後

第5章 エネルギー安全保障と"資源の呪い"――"資源の呪い"仮説の内容を吟味する――
(山本 武彦)
Ⅰ はじめに
Ⅱ 資源地政学の展開と資源の多元的構成
1 資源分布の地理学的解釈と産業革命
2 産業革命の進展と資源獲得競争―資源地政学の台頭
3 冷戦地政学の跋扈と資源"囲い込み"力学の作動
4 資源ナショナリズムの高揚とオイル・メジャーの後退
Ⅲ "資源の呪い"仮説の内容と実際
1 経済学研究における"資源の呪い(resource curse)"論
2 政治学研究における"資源の呪い"仮説
Ⅳ ポスト冷戦後の資源地政学とエネルギー安全保障
1 資源同盟の再編とOPECの求心力の低下
2 激しさを増す資源獲得競争と資源「囲い込み」力学
3 エネルギー地政学に翻弄される日本と"資源の呪い"
Ⅴ 世界は"資源の呪い"から逃げ出せるか?―むすびに代えて


第3部 安全保障問題の諸相


第6章 安全保障と地域統合の相関をめぐる理論と実際――変容する東アジアの安全保障構造がもたらす対抗と調和の力学――
(鈴木 隆)
Ⅰ 安全保障と地域統合をめぐる国際社会の構図
1 分離と統合
2 安全保障と地域統合の相互連関関係
Ⅱ 理論研究:リアリズムとリベラリズムの系譜からの再検討
1 国家と地域統合
2 ネオネオ統合と地域統合
Ⅲ 実証研究:東アジアのケース
1 理論の側面から見た東アジア地域統合
2 安全保障環境の変容と日本の反応
3 安全保障環境の変容に伴う東アジア諸国の存立要件
4 新しい安全保障環境がもたらす地域統合の可能性

第7章 オーストラリアにとっての中東
(福嶋 輝彦)
Ⅰ はじめに
Ⅱ 中東への派兵の歴史
Ⅲ 新たな中東との遭遇:イスラエルとの親交とパレスチナ問題
Ⅳ 中東系ボートピープルとテロへの厳しい対応
Ⅴ オーストラリア社会と「内なる中東」
Ⅵ おわりに

第8章 軍事史から見た日本による韓国占領1904年2月
(稲葉 千晴)
Ⅰ 日韓議定書が日本による韓国支配の始まりか?:はじめに
Ⅱ 学説の変更と史料の問題点
Ⅲ 陸軍の準備
Ⅳ 海軍の準備
Ⅴ 日露開戦と日本軍による韓国占領
Ⅵ 日本の韓国支配は1904年2月のソウル占領から始まった:結びに代えて

第9章 米国におけるサイバーセキュリティ法制の展開と現状――国家安全保障上の不可欠な制度基盤として――
(永野 秀雄)
Ⅰ はじめに
Ⅱ 大統領令等
1 国家安全保障指令第42号「国家安全保障に係る通信情報システムの保全に関する国家政策」
2 大統領令第13010号「重要社会基盤の保護」
3 大統領決定指令「国家安全保障会議第63号」
4 大統領令第13231号「情報時代における重要社会基盤の保護」
5 大統領令第13286号「国土安全保障長官への一定の権限を移譲するための過去の大統領令等に対する改正」
6 国土安全保障大統領指令第7号「重要社会基盤の指定、優先順位付け及び保護」
7 大統領令第13407号「国家的警戒及び警報システム」
8 国土安全保障大統領指令第23号/ 国家安全保障大統領指令第54号「サイバーセキュリティ政策」
9 大統領令第13587号「機密情報ネットワークの保全と機密情報の責任ある共有と保護を促進するための構造改革」
10 大統領令第13618号「国家安全保障緊急時即応準備電気通信サービスに関する業務」
11 大統領令第13636号「重要社会基盤のサイバーセキュリティの向上」
12 大統領政策指令第21号「重要社会基盤の保全及び復旧」
13 大統領令第13681号「消費者による金融取引の安全性向上」
14 大統領令第13687号「北朝鮮に対する追加的制裁」
15 大統領令第13691号「民間セクターとのサイバーセキュリティ情報共有の促進」
16 大統領書簡「サイバー脅威インテリジェンス統合センターの設置」
17 大統領令第13694号「重大な悪意によるサイバー利用行為に関与した者の資産の凍結」
18 大統領令第13718号「国家サイバーセキュリティ促進委員会」
19 大統領令第13722号「北朝鮮政府及び朝鮮労働党の財産の凍結と、北朝鮮との一定の取引の禁止」
Ⅲ 法律
1 個人識別情報等を保護する個別立法と州法
2 2002年連邦情報セキュリティ・マネジメント法
3 2014年サイバーセキュリティ促進法(Cybersecurity Enhancement Act of 2014)
4 2014年国家サイバーセキュリティ保護法(National Cybersecurity Protection Act of 2014)
5 2014年連邦情報セキュリティ現代化法(Federal Information Security Modernization Act of 2014)
6 サイバーセキュリティ労働力評価法(Cybersecurity Workforce Assessment Act)
7 2014年国境警備隊員給与改革法(Border Patrol Agent Pay Reform Act of 2014)
8 2015年サイバーセキュリティ法(Cybersecurity Act of 2015)
Ⅳ 最後に
1 サイバー脅威インテリジェンス統合センターに類似する組織の設置
2 重要社会基盤事業者に対する秘密指定された情報の共有
3 2015年サイバーセキュリティ情報共有法に類似する法律の制定
4 政府におけるサイバーセキュリティに関する専門家の採用・報酬についての例外的な人事規則の制定
5 政府によるサイバーセキュリティに関する奨学金制度の設定
6 IoTも含めた医療関連産業等のサイバーセキュリティに関する検討の開始