国際交流と日本 日本の自画像と国際認識をつくった国際交流

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小倉 和夫・土山 實男 編
A5/全292ページ/
ISBN978-4-909870-38-4
定価:2,200円(本体2,000円+税10%)

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国際交流をいかに効果的に内容豊かに充実させて行うか

日本にとってこれは最も重要な課題の一つである。ところが国際交流とはよく口にされる言葉に違いないが、このことばの意味も内容もはっきりせず、その場その場で適当に便宜的に使われているに過ぎない。
本書はこの問題に正面から答えようとする。歴史的にも現在的にも国際交流の日本に対する意味や役割を問い、日本が果たすべき課題を問う。
国際交流の現場に精通しまた研究に深く携わってきた論者たちによるこれは国際交流を考え実行するための定本とされるべき論集である。

―― 青木 保  元文化庁長官

日本の国際交流を問い、歴史から問題解決の方途を探る
ひとは他者の中に自己を見い出す。他者と接して、はじめて自分が何者であるかを知るのだ。国と国との交流にも似たところがある。本書は、日本が国際交流によって自国の文化や伝統の固有性に出会いつつ、いかに普遍性や共通感覚の認識へと至るのかを、経験豊かな執筆陣が明快に論じた力作だ。貴重な事例研究も含まれている。具体例を知ることなく、歴史や国家を論ずることはできないからだ。分断と対立の兆候があらわな現代世界における国際交流とは何か。この不安定な現状から脱け出る活路をどこに見いだすのか。多くのヒントを本書から読み取ることができる。

―― 猪木 武徳 大阪大学名誉教授

【目 次】

I 日本の国際交流をどう捉えるか

第1章 国際交流がつくる日本の自己イメージ、国のあり方、対外態度
    土山 實男
第2章 日本にとっての国際文化交流の意義 ―歴史的展望と地域別考察―
    小倉 和夫

II 国際社会の変遷と日本の国際交流の役割

第3章 日本人の日本発見 ―国際交流とナショナル・アイデンティティの国際政治―
    土山 實男

第4章 岡倉天心と国際文化交流 ―アジアは一つから地球は一つへ―
    渡邉 昭夫

第5章 国際文化交流としての鹿鳴館 ―その役割と評価―
    小倉 和夫

第6章 海外に見せたい日本と見せたくない日本 ―日清戦争と対外宣伝―
    大谷 正

III 日本の国際文化交流政策 ―事例研究

第7章
 渋沢栄一と国際交流
    片桐 庸夫

第8章
 東亜同文書院と日本
    堀田 幸裕

第9章 国際連盟システムにおける日本の国際交流 ―国際連盟知的協力国際委員会と日本―
    斎川 貴嗣

第10章 日米関係改善の模索 ―日米人形交流の行方―
    是澤 博昭

第11章 オリンピックと国際交流
    池井 優

第12章 国際交流基金と日米センター(CGP)の創設 ―国際貢献強化のための新たな文化交流政策―
    小川 忠