2019年6月アーカイブ

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本多 倫彬 著
ISBN 978-4-905285-91-5
A5判 全352ページ
定価=本体3,600円+税


第1版〈第3刷り〉好評発売中! 
 



  本書で問いたいのは、それら自衛隊の活動領域の拡大ではない。そうではなくて、陸上自衛隊施設部隊(工兵部隊)の派遣を中心に活動が積み重ねられる中で生じてきた自衛隊の活動の質的変化についてである。すなわち、以下に集約される、より具体的な問いである。
  「陸上自衛隊にとって、初の海外派遣任務だった1992年の国連カンボジア暫定統治機構(United Nations Transitional Authority in Cambodia: UNTAC)での活動と、2017年5月に派遣部隊が撤収した国連南スーダン共和国ミッション(United Nations Mission in the Republic of South Sudan: UNMISS)での活動とは、その活動内容にどのような違いがあるのか」

【著者紹介】
本多 倫彬(ほんだ ともあき)
  1981年生まれ。慶應義塾大学経済学部を卒業。同大学院政策・メディア研究科博士課程修了、博士(政策・メディア)。日本学術振興会特別研究員などを経て、現在、キヤノングローバル戦略研究所研究員。秋野豊ユーラシア基金「第13回秋野豊賞」受賞。
  論文・著書に、『世界に向けたオールジャパン―平和構築・人道支援・災害救援の新しいかたち』(上杉勇司・藤重博美・吉崎知典との共編著、内外出版、2016年)
「平和の破壊者から促進者へ―東ティモールにみる平和構築における新たな軍隊の姿」(山田満編『「人間の安全保障」に向けた東南アジアの現在と課題』明石書店、2016年)、「JICAの平和構築支援の史的展開(1999-2015)―日本流平和構築アプローチの形成」(『国際政治』第186号、2017年1月)などがある。


【目次】
序章
第1章 国際平和協力の理論的・歴史的検討
1 国際平和協力とは何か
2 国際平和協力研究における主要なアプローチ
第2章 国際平和協力を取り巻く環境の変容
―新たな視点と概念枠組み
1 国際社会による国家建設の時代とその終焉
2 国連ミッションによる対テロ戦争への対応
3 国連平和維持活動
4 国連の平和活動の現在
5 秩序の(再)構築に向かう国際協力/平和構築
6 国際平和協力に求められる視座
第3章 平和構築と国際平和協力
―東ティモールにおける復興支援の希求131
1 東ティモールにおける紛争と日本の支援の概説
2 東ティモールにおける国際平和協力活動
3 平和構築における国際平和協力活動の意義と課題
4 東ティモールで形成された日本の全政府アプローチ第4章 復興支援としての国際平和協力
―イラク派遣における民生支援の形成
1 イラク戦争の概説
2 自衛隊によるイラク人道復興支援
3 平和構築におけるイラク人道復興支援の意義と課題
4 自衛隊派遣前から派遣中までの日本の対イラク支援の概観
5 イラクの平和活動における人道復興支援を通じた平和構築
第5章 経済発展志向に収斂する平和構築
―日本流の国際平和活動の基盤
1 政策文書における日本の平和構築
2 平和構築に向けたJICAの対応
3 平和構築に向けた自衛隊の対応
4 経済社会インフラ整備に収斂する日本の平和構築政策
第6章 国際平和協力の新たな展開と平和安全法制
1 国連ハイチ安定化ミッションへの派遣の開始
2 国連南スーダン支援ミッションへの派遣の開始
3 能力構築支援―新しい国際協力の枠組み
4 平和安全法制と国際平和協力
終章 日本流の国際平和活動の実相と現代の平和構築
1 本書の概要
2 国際平和協力とはどのような政策なのか
3 日本流の国際平和活動とはなにか
4 日本流の国際平和活動の展望

海洋と国際関係

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金沢工業大学国際学研究所 編

A5判上製本 全266頁
本体2,200円+税

ISBN 978-4-909870-07-0


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本書『海洋と国際関係』は、金沢工業大学国際学研究所が、主要プロジェクトである「21世紀研究会」の成果を取りまとめた研究叢書第5号である。
さまざまな知見をもとに、各執筆者が自らの研究領域と関心に沿って、「海洋」にかかわる問題を取りまとめ一書としたものである。

目 次

第1章 世界のチョーク・ポイントと海洋地戦略 (山本 武彦)
Ⅰ はじめに
Ⅱ 海洋地戦略とは何か
Ⅲ チョーク・ポイントとしての海峡と運河の地戦略的重要性
Ⅳ むすび―「海洋安全保障のジレンマ」からの脱出は可能か?

第2章 南シナ海紛争とASEAN:三つの傾向・一つの兆候 (黒柳 米司)
Ⅰ はじめに:三つの傾向と一つの兆候
Ⅱ 地政学の新潮流
 1 「南シナ海紛争」の変貌
 2 トランプ政権の登場
 3 大国による遺棄
Ⅲ ASEANの劣化
 1 ASEAN劣化の三つの側面
  (1) 構造的欠陥
  (2) 制度的欠陥
  (3) 動態的欠陥
 2 「問題国家」インドネシア
Ⅳ 中国の「シャープ・パワー」
 1 一方的現状変更
 2 中国の「シャープ・パワー」
Ⅴ むすび:ASEAN「三つのNO」

第3章 米国沿岸警備隊の海事保安に関する法令とインテリジェンス (永野 秀雄)
Ⅰ はじめに
Ⅱ 沿岸警備隊に関する保安法制の歴史
Ⅲ 沿岸警備隊の現状
 1 沿岸警備隊の任務
 2 2017会計年度における現状
 3 2018会計年度予算の概観
 4 インテリジェンス機関
Ⅳ 1972年港湾・水路安全法
Ⅴ 1986年国際海事港湾保安法
 1 立法事実
 2 国際海事港湾保安法の概要
Ⅵ 2002年海事輸送保安法
 1 はじめに
 2 海事管轄権の拡大
 3 MTSAにおける脅威及び保安の評価
  (1) 脆弱性の決定と脅威の評価
  (2) MTSA施行規則における地区海事保安評価
  (3) 2010年沿岸警備隊授権法
 4 MTSA施行規則における3段階の海事保安レベル
 5 海事輸送保安計画の策定と諮問委員会
  (1) 国家海事輸送保安計画と諮問委員会
  (2) 地区海事輸送保安計画と諮問委員会
 6 海事施設、船舶及び領海外大陸棚上の施設の保安計画
  (1) 海事施設保安計画
  (2) 船舶保安計画
  (3) 領海外大陸棚上の施設の保安計画
 7 運輸業界従事者身分証とその有効性
  (1) はじめに
  (2) MTSAにおける生体認証カード発行の要件となるセキュリティクリアランス
  (3) 2006年全港湾の保安と説明責任法
  (4) 運輸業界従事者身分証明に関する最終規則
  (5) 「2018年運輸業界従事者身分証説明責任法」の制定とその背景
 8 海事インテリジェンス
  (1) 海事インテリジェンスシステム
  (2) 国家海事保安戦略と関係する諸計画
  (3) 高度警戒対象船舶プログラム
 9 外国の港湾評価
 10 船舶の識別に関する規定
  (1) 自動船舶識別装置
  (2) 船舶長距離識別追跡装置
 11 機微保安情報
  (1) はじめに
  (2) 機微保安情報とは何か
  (3) 機微保安情報に関する規制に服する者
  (4) 機微保安情報の開示制限
  (5) 知る必要のある者
  (6) 運輸保安庁又は沿岸警備隊による機微保安情報の開示
  (7) 不当開示に対する民事罰等
 12 その他
  (1) 海事安全保安チーム
  (2) 海事保安に関する補助金
  (3) 海事保安専門家の訓練
第4章 日本の「インド太平洋構想」の形成とその可能性―対外戦略の視点から見た日本の海洋政策― (宇佐美 正行)
Ⅰ はじめに
Ⅱ 「インド太平洋構想」の胎動―第1次安倍政権下の動き
 1 「地域概念」としてのインド太平洋
 2 第1次安倍政権による「価値の外交」と「自由と繁栄の弧」の提唱
 3 第1次安倍政権のインド太平洋構想の特徴
Ⅲ 「インド太平洋構想」への本格的取組―第2次安倍政権以降の動き
 1 中国の海洋進出と「安全保障ダイアモンド構想」の提唱
 2 外交戦略として打ち出されたインド太平洋構想
 3 「自由で開かれたインド太平洋戦略」の提唱
 4 「自由で開かれたインド太平洋戦略」の政策枠組みとその展開
Ⅳ 「インド太平洋構想」と安全保障戦略との連携の深化
 1 第3期海洋基本計画の策定とインド太平洋構想
 2 安全保障関連法の制定とインド太平洋構想
Ⅴ 米国のインド太平洋構想に向けた動きと日本の対応
 1 オバマ政権の「アジア回帰」政策からトランプ政権のインド太平洋戦略へ
 2 不透明感が残る日米豪印4か国協力枠組み(Quad)
Ⅵ むすびに代えて

第5章 核搭載艦船の領海通航―国会論議の変遷― (櫻川 明巧)
Ⅰ 日米安保条約審議における核搭載艦―無害通航は認める
Ⅱ 領海条約加入と無害通航―核搭載艦の通航は無害通航と考えない
Ⅲ 政府見解の変更
Ⅳ 事前協議があれば「拒否する」
Ⅴ 核持ち込み「密約」―説明は嘘をふくむ不正直なもの

第6章 日本における海洋法制の整備 (櫻川 明巧)
Ⅰ はじめに
Ⅱ 領海条約の締結と旧領海法の制定―特定海域の設定
Ⅲ 国連海洋法条約の締結と条約関連の8国内法
 1 国連海洋法条約―海の憲法・安定的な海洋秩序の確立
 2 国連海洋法条約締結に伴う8関連国内法
  (1) 新領海法の制定―直線基線の導入と接続水域の設定
  (2) 5海峡を特定海域として維持
  (3) 排他的経済水域・大陸棚法の制定―権利行使の範囲と内容
  (4) その他の条約関連法
Ⅳ 海上保安庁法の改正―能登半島沖不審船事件と船体射撃の法制化
Ⅴ 海洋基本法と安全水域法の制定
 1 海洋基本法―海洋政策の総合的な推進
 2 安全水域法―海洋構築物・周辺海域航行の安全確保
Ⅵ 海洋基本法制定以後の海洋法制の整備
 1 外国船舶航行法の制定―外国船舶の不審な行動の抑止
 2 海賊対処法の制定―公海航行船舶の安全確保と海上での公共の安全・秩序の維持
 3 低潮線保全法の制定―排他的経済水域等の保全・利用の促進
 4 海上保安庁法と外国船舶航行法の改正―領海警備の強化
 5 外国人漁業規制法と漁業主権法の改正―違法操業の外国漁船に対する罰金額引上げ
 6 有人国境離島法の制定―離島の保全・管理
Ⅶ おわりに