戦後日本政治史 ―集団的自衛権を巡る論争史の検証を通じて―

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里永 尚太郎 著
ISBN978-4-909870-48-3 C0031
四六判/全256ページ
定価:1,760円(本体1,600円+税10%)
2022年4月15日発売

『集団的自衛権』の政策決定過程を歴史的経緯から第二次安倍政権まで徹底検証!

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安倍政権と集団的自衛権

安倍政権と集団的自衛権 ―キーパーソンが明かす内幕―

『集団的自衛権』の政策決定過程にあったキーパーソンである麻生太郎、高村正彦、石破茂、中谷元、野田聖子、田村重信、古賀誠のインタビュー


【著者略歴】
1975(昭和50)年生まれ、兵庫県尼崎市出身。
同志社大学法学部政治学科卒業、同志社大学大学院総合政策科学研究科博士後期課程退学。防衛法学会、日本公共政策学会等に所属。
大学院在学時から、小池百合子衆議院議員の秘書を務め、環境大臣秘書官(政務)等を務める。その後は、研究執筆を続けつつ、国会議員政策担当秘書・顧問、シンクタンク主任研究員(JFSS)、企業顧問等を務める。
著書には、『安倍政権と集団的自衛権―キーパーソンが明かす内幕―』、Amazon2部門1位となった『集団的自衛権の行使―憲法・国際法・防衛法制・政府解釈と答弁を踏まえ、立ちふさがる諸問題を考察する―』等がある。


【内容紹介】
2020(令和2)年12月18日の朝日新聞社の世論調査によると「集団的自衛権に賛成ですか」との質問に対し、賛成が46%、反対33%となり初めて賛否が逆転した。
国会を取り巻く反対デモ、憲法学者、国民世論やメディアによる批判を踏まえると、目を疑うほどの驚くべき状況の変化ではないだろうか。
集団的自衛権という政治的議論については、政治家其々が持論を展開することを通じて、議論をしてきたが、自民党内において政策決定過程は存在せず、それを構築しようとする政治家も存在しなかった。また、票にもカネにもならない、政治家其々が納得するか否かという、火中の栗を拾うような厄介な政治的議論を収斂させ、決定しようという党内気運もそもそもなかった。安倍晋三(首相)は、政治家としての執念を燃やし、それに着手し、信念を結実させたことは、政治家としての天命を果たしたということであろう。
過熱しがちな論争から、冷却期間を経て、改めて理解を深めることを通じ、近未来に想定される〝憲法改正〟や〝台湾有事〟などの安全保障政策の更なる論争の際に、その一助として寄与できれば幸いである。
本書は、『集団的自衛権の行使―憲法・国際法・防衛法制・政府解釈と答弁を踏まえ、立ちふさがる諸問題を考察する―』と『安倍政権と集団的自衛権―キーパーソンが明かす内幕―』の特別総集編という位置付けである。より詳細を理解したい方はご高覧戴ければ幸いである。
(「はじめに」「おわりに」より)


【目次】
はじめに
集団的自衛権の行使を巡る論争 年表・基本資料
序章
第1章 憲法第9条と集団的自衛権を巡る議論の歴史的経緯
  第1節 集団的自衛権を巡る学説と行使事例について
  第2節 1945(昭和20)~1960(昭和35)年(吉田政権~岸政権)
  第3節 1960(昭和35)~2005(平成17)年(池田政権~小泉政権)
  第4節 2005(平成17)~2012(平成24)年(第一次安倍政権~野田政権)
第2章 集団的自衛権の行使を容認するための様々なアプローチ
  第1節 憲法改正論者の見解
  第2節 憲法無効論者の見解
  第3節 解釈改憲論者の見解
  第4節 立法措置論(もしくは国会決議)者の見解
  第5節 解釈再整理論者の見解
  第6節 野党自民党と必要最小限度の集団的自衛権概念
第3章 日本を取り巻く安全保障環境の変化
  第1節 同盟国アメリカからの要請
  第2節 北朝鮮による核・ミサイル開発と中国の海洋進出
  第3節 グローバルなパワーバランスの変化
第4章 第二次安倍政権の発足と集団的自衛権
  第1節 第二次安倍政権の発足
  第2節 自民党内議論
  第3節 自公協議と閣議決定
第5章 政策決定プロセスの検証とその後の展開
  第1節 閣議決定プロセスの検証
  第2節 国会審議プロセスの検証
  第3節 その後の展開
おわりに
〝失われた30年〟の先へ (結びにかえて)
参考文献